わが国の温泉文化を語るうえでの記念碑的存在

2011.12.31

湯の峰温泉の温泉街中央に、薬王山東光寺という天台宗の寺がある。本尊は、薬師如来坐像(毎年一月八日の「初薬師」以外は拝観不可)。左胸にあいた穴より、かつて温泉が湧出していたと伝えられ、「湯胸薬師」とよび親しまれている仏である。湯の峰の地名は、この湯胸が転誂したものとも言われる。この本尊、大きな岩石に薬師如来の姿を浮き彫りにしたようにも見えるが、じつは石でできているわけではない。温泉の湧出により、源泉のなかに含まれる炭酸カルシウム(石灰)が徐々に析出沈澱し、塔状を成した大きな「噴泉塔」と考えられるのである。

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おそらく、噴泉活動が終息する前後に、薬師像が彫刻されたのであろう。そうであるならば、この本尊仏は自然と宗教の澄遁であり、わが国の温泉文化を語るうえでの記念碑的存在となる。





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